カルーナ・ヴルガリス(Calluna vulgaris )

ヴルガリスはカルーナ属のなかで唯一の種であり、周北極から北アフリカまで自生する常緑低木です。西ヨーロッパの海岸線に特に多く認められ、はるか東方のウラル山脈まで伸びています。東カナダとアメリカで帰化していますが、これは初期の開拓移民により梱包資材に種子が混入したものと紹介されています。カルーナ・ヴルガリスは、やや多肉質の三角形の葉を持ちます。葉は反対側に密に重なり合って対をなし、ふつうは暗緑色で冬には紫がかった色に変わります。庭に植栽するとき、カルーナはたいへん変化に富んで魅力的です。暗緑色から明緑色、灰色、黄色、オレンジ色、赤色まで幅広い葉色を持ち、匍匐するものや直立したり広がったりする樹形のものまであります。開花時期も環境により変化します。北方地域では6月〜8月に開花しますが、南方地域では開花が1ヶ月〜2ヶ月遅れます。花色は白色から深紅色まであり、偏った総状花序を持ち、花弁と同形、同色の顎が重なった4つの長い花弁で構成された花冠を持ちふつうは一重です。八重や蕾状の花もあり、一重の花よりも一般的に開花が遅れます。カルーナは軽い酸性土壌を好み、粘土のような重い土壌では生育が良くありません。土壌が肥沃すぎると、成長が早くなり枝がばらけ易くなります。開かれた日の当たる場所でよく成長し、日当たりの悪い場所ではあざやかな葉色の変化が期待できません。すべてのカルーナは氷点下29℃〜氷点下23℃まで耐寒性がありますが、ある品種では氷点下34℃〜氷点下29℃まで耐えます。


Calluna vulgaris Dark Star Calluna vulgaris Annemarie
 

魅力的な花を咲かすカルーナ
一重咲き アレグロ、アラベラ、バトル・オブ・アーネム、ダーク・ビューティー、ダーク・スター、ダークネス、ファイナル、ミューリオン
八重咲き アンマリー、カウンティー・ウイックロウ、エルスィー・パーネル、 H. E ビール、ジミー・ダイス、キンロックルール、ピーター・スパークス、ラドナー、レッド・フェイヴァリット、ストロベリー・デライト、ホワイト・コーラル
 
葉の色に特徴のあるカルーナ
シルバー系 アリソン・イェイテス、アンソニー・デイビス、シルバー・クイーン、シルバー・ローズ、ヴェルヴェット・ファシネイション
ゴールド系 ゴールド・ヘイズ、ベオリー・ゴールド、サーレイ・オーレア、サンセット・グロー
イエロー系 アミルト、ボスコープ、ファイアーフライ、オレンジ・クイーン、レッド・カーペット、ロバート・チャップマン、ロラン・ハーゲン、サー・ジョン・チャリントン、サンセット、ウイックワォー・フレイム
 
葉の色の変化を楽しむカルーナ(イエロー→オレンジ→レッド)
-- アミルト、ボスコープ、ファイアーフライ、オレンジ・クイーン、レッド・カーペット、ロバート・チャップマン、ロラン・ハーゲン、サー・ジョン・チャリントン、サンセット、ウイックワォー・フレイム
 
新芽のきれいなカルーナ
花のような真っ赤な新芽 イースター・ボンファイアー、カースティン、レッド・フレッド
クリーム色の新芽 スプリング・クリーム
 
花が蕾形のカルーナ
-- アレクサンドラ、アリシア、アメジスト、アネッテ、フリッツ・カーチャー、マーリーズ、マーレーン、アンダーウッディ
 
葉や樹形に特徴のあるカルーナ
-- シスター・アン、ホワイト・ローン

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